Cosmetic in Japan 美容医学への扉-東京大学美容外科-アンチエイジング
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レチノイン酸療法  
吉村浩太郎 (2000年8月)

 

Summary
 レチノイン酸は他のケミカルピーリングの主剤と異なり、細胞の増殖分化を制御する作用を持っている。臨床的には角質の剥離を促すとともに、表皮基底細胞の増殖を促進し、表皮内に粘液性物質の沈着を促す。皮脂の分泌を抑え、真皮乳頭層の血管新生を促し、線維芽細胞によるコラーゲン産生を促進する。真皮におけるmatrix metalloproteaseの制御により、紫外線による皮膚の菲薄化を始めとする光老化を改善する。レチノイド特有の皮膚炎はあるものの、レチノイドの特性を生かすことにより、短期的な表皮のresurfacingに加え、長期的には皮膚の張りや小皺の改善効果を見ることができる。さらに他の治療と併用することにより、総合的な皮膚の若返り治療に利用することが可能である。一方、製剤の入手の問題など、まだ不自由な側面もある。今後、より副作用の小さい合成レチノイドの開発などへの期待も大きい。

はじめに
 レチノイン酸はその特異的な生理作用からニキビ、シワ、シミ、創傷治癒促進など広範囲の美容治療に応用することができる。本稿では、若返りの治療、すなわち小ジワやシミの治療について述べる。
 
概念
1.レチノイドの概念
 ビタミンA(レチノールretinol)とその類縁化合物であるレチノイドretinoidは、形態形成制御作用、細胞の分化増殖制御などの作用を持っている。本来、レチノイドの定義として、その物質の持つ化学構造から定義されており、レチノール、レチナール、レチニールエステル、レチノイン酸はじめ多くの化合物がある。しかし、これらの化合物はすべて核内に存在し転写因子として機能する数種のレチノイン酸受容体retinoic acid receptor(以下RAR)、およびレチノイドX受容体retinoid X receptor(以下RXR)を介して生物活性を示すことが明らかになって以来、これらの特異的な受容体と結合することによりレチノイン酸の有する生物活性を発揮する化合物群をすべてレチノイドと呼ぶことが適当と考えられるようになった。現在ではビタミンAとは全く類似しない化学構造を持つ化合物でも、レチノイン酸受容体と非常に高い結合親和性を示す合成化合物もレチノイドと称されている。

2.レチノイン酸とは
 レチノイン酸(retinoic acid、ビタミンA酸、レチノール酸)というのはビタミンAのカルボン酸誘導体で、all-trans retinoic acid (tretinoinトレチノインとも呼ばれる;オールトランスレチノイン酸、以下atRAアトラ)、9-cis retinoic acid (alitretinoin とも呼ばれる; 9シスレチノイン酸)、13-cis retinoic acid (isotretinoinとも呼ばれる; 13シスレチノイン酸)などいくつかの立体異性体が存在する。AtRAはRARのリガンドとして、ビタミンAの生物活性の本体であるといえる。ちなみにRXRのリガンドは9-cis retinoic acid(RARにも親和性を有す)であり、RARとRXRはheterodimerを形成してDNAの特定の塩基配列を認識、結合して下流の遺伝子の発現を制御することが知られている。この他、RARが転写因子AP2の機能を妨げることにより作用することも明らかになっている1)。

3.臨床で用いられているレチノイド
 本邦で外用剤として認可されているレチノイドはレチノール(ビタミンA)および酢酸レチノールretinyl acetate、パルミチン酸レチノールretinyl palmitateなどのレチニールエステルで、化粧品としては100gあたり25万国際単位までの使用が認められており、またザーネ(エーザイ、レチノールとして100gあたり50万国際単位)は医薬品として角化性皮膚疾患に認可使用されている。しかし、これらの成分では副作用は特に見られないが、薬理作用が小さく(atRAの300分の1程度)、こうした濃度では後述するようなatRA特有の臨床効果は期待できない。
海外ではさらにいくつかのレチノイド外用剤、内服剤が乾癬、にきび、悪性腫瘍などを対象に認可され、また臨床治験中のものもいくつかある。参考までに表1にまとめた。

4.レチノイン酸の皮膚に対する作用
  AtRAの継続的外用により、表皮においては表皮角化細胞の強い増殖促進作用がみられ表皮は肥厚し角質はコンパクトになる。表皮角化細胞間や角質に粘液性物質(ヒアルロン酸といわれている)が沈着するようになる2,3)。短期的には表皮のresurfacing効果があり、脂腺の分泌を押さえ、にきびに対して効果があるとともに、他の漂白剤とうまく併用することにより、しみなどのメラニン色素性疾患に効果を表す。さらに、真皮においては線維芽細胞のコラーゲン、エラスチン産生促進などの作用があり、長期使用によって真皮が肥厚することにより、紫外線による皮膚の老化の進行を防ぎ、皮膚の張りを取り戻す4)。皮脂の分泌を抑制する働きも持つと言われている。また、真皮乳頭層の血管新生が見られ、表皮、真皮レベル双方で皮膚の創傷治癒を促進する働きを持っている。メラノサイトのメラニン産生抑制には否定的な見解が多い5)。

5.催奇形性
 催奇形性については実際に吸収され血中に入る量を投与量、吸収率などから考慮すると内服薬の数千分の一のオーダーであり、非常に低いと考えられる(この場合それぞれのレチノイドの半減期の長さも問題になる)。米国ではレチノイン酸“外用”では催奇形性はありえないと結論付けられ、仮に注意するとしても“妊娠している女性”のみで十分であるとする意見が多い。著者は若い患者には使用中は避妊を励行するように指導している。
 
術前の評価とレチノイン酸治療の適応
  色素沈着,くすみ,小じわなど,患者の求める治療の内容を正確に理解する。色素沈着の場合は臨床診断を正確につける.特に肝斑のある患者では、2種以上のものが混在している場合も多い。老人性色素斑が目立つ場合はその治療を優先するが,老人性疣贅(脂漏性角化症)については液体窒素などで最初に治療を行っておく必要がある。単純黒子などは炭酸ガスレーザーなどで処置を行う。老人性色素斑,肝斑,雀卵斑,肌のくすみ,小じわなどはレチノイン酸治療を行うが,笑いジワ,目の下のたるみ,その他大きいしわには,コラーゲン注入や外科手術など適切な治療についての説明を行う。色素沈着の場合は色差計などで治療前の状態を測定しておくと良い。

外用剤の調合法
 認可されていないレチノイン酸やハイドロキノンなどを患者に処方するためには、海外より製品を個人輸入をするか、院内調合をすることになる。院内調合は手間がかかるが、自由に濃度や基剤を変えられる。調合は医師もしくは薬剤師が行うことになるが、簡単な調合器や擂潰機があれば十分である。院内調剤した薬剤は他の場所で処方したり、処方以外の目的で売買することは薬事法で禁じられている。

 

レチノイン酸外用剤の調合法
 オールトランスレチノイン酸は非常に不安定な物質であり、特に光と熱に非常に弱いため、毎月1回調合する必要があり(1ヶ月間厳重な冷暗所保存でも約1割分解する)手間がかかるが、ある程度以上の消費量があればコスト面でも非常に有利である。著者の施設では、製剤を10g単位のステンレスチューブ(遮光効果が大変良い)に密封して処方している。
水性ゲル基剤での調合法の1例を表2に記したので、参考にしていただきたい。水性ゲル製剤は水分が95%以上を占め、皮膚浸透性が極めて高く、原末のコストパフォーマンスという面からは非常に経済的である。親水軟膏などを使うことも可能であるが、皮膚浸透性は数倍落ちるため、濃度をそれなりに上げる必要が生じる。レチノイン酸の治療では投与量が非常に重要な要素となるため、院内調合の製剤方法が異なれば反応も変わってくるので、ある程度の数の患者の反応を見て、自分が処方している製剤がどの程度の力かを十分理解して使用方法を適宜変更、調整する必要がある。

手技、治療法
1) 小ジワの治療 
[使用方法]
 0.1%atRAゲルを1日1回使用する。この場合、親水軟膏、ワセリンなどの基剤を用いても良い(この場合濃度をやや上げるか使用回数を増やす)。当初はハイドロキノン乳酸軟膏を併用して、漂白治療も合わせて進めると良い。AtRA水性ゲル単独で使用する場合は保湿剤を併用すると良い。紫外線はbroad-spectrumのサンスクリーンで十分遮断する必要がある。当初、反応性の皮膚炎が見られるが使用を継続するととも自然に消失していく。皮膚炎があまり見られない場合は徐々に回数を増やすか、濃度を上げていく。あまり皮膚炎が強い場合は使用回数を減らして調節する。長期的に使用することが大切で、老化は加齢とともに進行していくわけであるから半永久的に使用すればよい。反応を見ながら徐々に濃度をあげていくことも効果があるし、薬理効果をあげるために計画的な間歇的使用(2-3ヶ月治療後、1-2ヶ月中止することを繰り返す)を行うことも良いと思われる。

2)シミの治療
 シミといっても、老人性色素斑、雀卵斑、肝斑はじめ様々な疾患が含まれ、その治療法は様々でそれらの発展も著しいところではあるが、未だ治療に難渋する疾患も多く残されている。著者らが色素沈着に対して行っているレチノイン酸治療は従来の方法に比べて、aggressiveにレチノイン酸を使用するため、発赤、灼熱感などのいわゆるレチノイド皮膚炎症状は強いが、短期間の治療でこれまでにない色素の改善が認められる。今後もさらなる治療法の改良や、さらに有意義な合成レチノイドの登場が期待されるところである。

[使用方法と臨床経過]
  通常は治療をbleaching stepとhealing stepに分ける(図1)。はじめのbleaching stepでは、患者自身にatRAゲルおよびハイドロキノン乳酸軟膏を毎日2回患部に薄く塗布させ、昼間は日焼け止めクリームを併用させる。原則として治療開始時は顔面には0.1%、上肢および躯幹には0.2%、下肢には0.4%のatRAゲルを使用し、必要に応じて適宜濃度を変更する。一般的には、使用を開始して2-3日目には発赤を生じ落屑が見られる(1週間こうした反応が見られない場合はさらに強い濃度の外用剤に変更する必要がある)。その頃から塗布直後にirritationが見られることもしばしばであるが(irritationはハイドロキノン乳酸軟膏によるところが大きい)、しばらくすると沈静する場合が多い。徐々に皮膚炎が進行するとともに、色素沈着は薄くなっていく。皮膚炎が強すぎる場合は使用回数を減らすなどしてコントロールする。適切な保湿剤の併用が望ましいが、ステロイド剤は特別な場合を除き、使用を控える。早ければ2週間で色素沈着は消失するが、その時点では発赤が顕著な状態である。治療開始後1-2週間が一番辛い時期でその後は使用を続けても炎症は徐々に収まってくる。2-6週間の治療ののち色素沈着の改善が十分得られたらhealing stepに移行する(十分なところまで改善しない場合でも8週間でbleaching stepは終了する)。すなわち、atRAゲルを中止して、代わりにステロイド軟膏(weak-strong)をできるだけ短期間(通常02週間)使用して皮膚炎を沈静化させる(注意:2001年8月現在ステロイドは全く使用しない)。Healingの過程で炎症後色素沈着を惹起する場合もあるが、特別な治療は必要としない。特に目立つ場合は短期間atRAゲルを併用しても良い。ハイドロキノンは継続的に使用する必要がある。炎症が軽度な場合はhealing stepのステロイド軟膏は省略しても良い。ハイドロキノン乳酸軟膏は5%ハイドロキノン・10%アスコルビン酸軟膏に変更してもよい。ステロイド剤はatRAとの併用は避けるとともに、使用する期間を最小限にとどめることが重要である。副作用についての十分な説明を行い、文書によるインフォームドコンセントのもとに外用剤の処方を行う。こうして622週間(1クール)で治療を終了するが、色素沈着が残っている場合はatRAを中止してから(bleaching step終了の時点から) 1-2ヶ月程度の間をおいて、2クール目を行うことができる。こうしてブランクをおくことによって、atRAに対する治療部位の耐性が無くなり、2クールにおいても適当な反応を得ることができるようになる。

症例
代表的な症例を4例示した。症例1(図2A, B)、症例2(図3A-D)は小じわ、くすみ、小色素斑などを主訴とした症例で、症例3(図4A、B)、症例4(図5A, B)はシミ(老人性色素斑)を主訴とした症例である。

考察
[シワ治療の効果]
 レチノイン酸の光老化に対する効果については、臨床上の改善、組織学的改善、長期使用後の評価など米国を中心に数多くの論文があり、疑念の余地はないといえる2-4, 6)。老化した皮膚の特徴は、組織学的には表皮が萎縮して薄くなり、表皮角化細胞は極性を失いつぶれてみえる。真皮乳頭は平坦になり、真皮はコラーゲン線維が失われ萎縮し、炎症細胞の浸潤が見られる。臨床的には、皮膚は菲薄化し張りや弾力を失い、黄色くなりざらざらしてしわが目立ってくる。さらに血管拡張やぶち模様のしみもめだってくる。治療開始1ヶ月の間に表皮のresurfacingが起こり、つやなどその効果を認識できることも多いが、その後継続的に使用することにより真皮レベルでの小じわや張りなどの効果が現れてくる。
小じわの治療効果の客観的評価は難しい。美容治療であり繊細な改善であるため、患者の主観的評価が優先されることが多い。通常は2-3ヶ月の治療で、色が白くなった、化粧ののりが良くなった、つやが出るようになった、などという表現で改善を自覚する患者が多い。ニキビやシミの治療で片側だけ治療している患者では他覚的にもよく観察できる。レチノイン酸の治療では皮膚が赤みを帯びる(rosy glow)場合が多く、そのことを指摘する患者も多いが、灰白色や黄ばんだ状態の老化皮膚が本来の良好な血色を取り戻したと理解させることが必要である。

[シミ治療の効果]
 Kligmanらは漂白作用があるとされるレチノイン酸、ハイドロキノン、ステロイド(dexamethasone)をそれぞれ0.1%、5%、0.1%の濃度で混合した親水軟膏の処方をそれぞれの単独使用よりも漂白効果が大きいと報告している7)。以後現在に至るまで、欧米ではこの処方をもとに多くの製品が市販されており、特に近年ではこうした製品をレーザーやケミカルピーリングと組み合わせて使用することも盛んに行われている。われわれのプロトコールの特徴は1)最適な濃度(実際には市販品よりもかなり高濃度)のレチノイン酸を短期間使うこと、および2)ステロイド剤とレチノイン酸の併用を避け、bleachingとhealingの2ステップに分けていることである8,9)。
 シミ治療におけるatRAの役割は、シワ治療とは少し異なり、初期に角質の剥離を促すこと、その後表皮角化細胞の増殖を促進することが重要である。表皮が置き換えられる間にハイドロキノンが良く働き、メラニンの少ない新しい表皮で置換されると考えられる。表皮角化細胞の増殖促進にはatRAによりsuprabasal cellからのHB-EGF分泌、線維芽細胞からのKGF分泌が刺激を受けることによる可能性が高い。しかし、ステロイドはKGFの分泌を抑える10)など拮抗的に作用するため、atRAと同時に使用することは避けるべきである。また、副作用を嫌ってできるだけ弱いatRAクリームで治療を開始したり、使用回数を極端に減らすことはいたずらに耐性の獲得を進めるだけであり、結果的にレチノイド特有の効果を損ねてしまうことになる。

[シミ治療のコツ]
 実際には難しいが、レチノイン酸を最適量投与することが非常に重要である。シミの治療ではシワの治療よりも治療初期に強めに使う方が良い。始めに落屑や炎症が見られるまでは強く使い、その後は皮膚への薬剤の浸透が強くなるため、やや減じて調節する。適度な皮膚炎が見られる状態をうまく維持し、角層の剥離で失われた角質の水分保持機能やバリア機能を補うために、保湿剤やオイルなどで十分なケアを施すことが大切である。レチノイン酸の場合、使用することにより皮膚の反応が弱くなる、いわば耐性toleranceを獲得するため、その皮膚の部位、治療状態に応じて迅速に濃度を変更することを要求される場合も多い。そのため、特に治療初期においては頻繁に(毎週)診察することが求められる。最終的に1回目の治療で消失しつくせなかった色素がある場合は、atRA中止後2-3ヶ月程度の間隔をおいて2回目の治療を始めることができ(間隔をとることにより獲得していた耐性が一部失われる)、この場合1回目よりも高い濃度を必要とする場合が多い。治療初期の連続使用を怠り十分な効果が得られない場合はできるだけ早期にatRAを中止し、十分な間隔をおくことが最終的に良い効果を得るためには近道である。本治療で炎症後色素沈着を惹起する場合があるが、予防するためには、ステロイドをできるだけ使わない、紫外線防止を厳重にする、atRAゲルを止めても最低2週間は必ずハイドロキノン外用を継続することが大切である。

[他の治療法との併用]
 皮膚の若返りrejuvenation治療を考える場合、小じわ、ガサツキに加え、シミ、表情ジワ、たるみ、老人性疣贅、ほくろなど綜合的に治療していくことが重要である。例えば、老人性色素斑でも過角化を伴うものには事前に炭酸ガスレーザーや液体窒素などで処置をする必要がある。そのため、ピーリング、レーザー、液体窒素、ボツリヌス毒素、コラーゲン注入、アブレージョン、face liftなどの外科的手術など様々な治療法を常時備えておくことが、日常の皮膚治療にゆとりを与え大きなアドバンテージとなり、また患者との良好な信頼関係にもつながる。

 

参考文献
1) Fisher GJ, Voorhees JJ: Molecular mechanism of retinoid actions in skin. FASEB J. 10:10022013, 1996.
2) Kligman AM, Grove GL, Hirose R, Leyden JJ: Topical tretinoin for photoaged skin. J. Am. Acad. Dermatol. 15:836-59,1986.
3) Kligman AM,,,,,Skin Pharmacol
4) Kang S, Voorhees JJ: Photoaging therapy with topical tretinoin: an evidence-based analysis. J. Am. Acad. Dermatol. 39: S55-61, 1998.
5) Lotan R, Lotan D: Enhancement of melanotic expression in cultured mouse melanoma cells by retinoids. J. Cell Physiol. 106: 179289, 1980.
6) Biro DE, Shalita AR: Clinical aspects of topical retinoids. Skin Pharmacol. 6 (Suppl 1): 53-60, 1993.
7) Kligman AM, Willis I: A new formula for depigmenting human skin. Arch. Dermatol. 111: 40-48, 1975.
8) Yoshimura K, Harii K, Shibuya F, Aoyama T, Iga T: A new bleaching protocol for hyperpigmented skin lesions with a high concentration of all-trans retinoic acid aqueous gel. Aesthetic Plast. Surg. 23: 285-291, 1999.
9) Yoshimura K, Harii K, Aoyama T, Iga T: Experience of a strong bleaching treatment for skin hyperpigmentation in Orientals. Plast. Reconstr. Surg., in press.
10) Chedid M, Hoyle JR, Csaky KG, Rubin JS: Glucocorticoids inhibit keratinocyte growth factor production in primary dermal fibroblasts. Endocrinology 137: 2232-7, 1996.
 

図1.シミ治療のプロトコール。前半はレチノイン酸水性ゲルとハイドロキノン乳酸軟膏を使用して漂白を行う。後半はハイドロキノンは続けるが、レチノイン酸を止めて炎症を治していく。必要に応じてステロイド軟膏を最小限使用する。

図2.症例1.
 顔面の小ジワや小色素斑を主訴に来院した(図2A)。0.1%atRAゲルおよびハイドロキノン乳酸軟膏で治療を開始した。6週間使用し、ハイドロキノン乳酸をさらに3週間使用した。5週間のブランク(保湿剤のみ使用)を置いて、2クール目の同様の治療を6週間行った。治療開始後8ヶ月では、小色素斑はなくなり、肌が全体的に白くなり、小ジワやツヤの改善が自覚的、他覚的に認識できた(図2B)。

図3. 症例2.
顔面の小ジワや小色素斑を主訴に来院した(図3A,B)。0.1%atRAゲルおよびハイドロキノン乳酸軟膏で治療を開始した。5週間使用し、ハイドロキノン乳酸をさらに5週間使用した。その後、2週間は保湿剤のみを使用した。治療開始後3ヶ月で、小色素斑はなくなり、肌のツヤが出て、小ジワや張りの改善が自覚的、他覚的に認識できた(図3C,D)

図4. 症例3.
左頬部の老人性色素斑を主訴に来院した(図4A)。0.1%atRAゲルおよびハイドロキノン乳酸軟膏で、強力に漂白を行った。落屑がみられ紅斑が進行するとともに、色素沈着は改善していった。色素沈着が2週間でほぼ消失したため、その後ステロイド軟膏(weak)を2週間、ハイドロキノン乳酸とともに使用した。ハイドロキノン乳酸軟膏のみで4週間経過を観察した。治療開始後8週間で、紅斑はなくなり、色素斑の再発も見られなかった(図4B)。

図5. 症例4.
顔面に全体的に広がるシミを主訴に来院した患者であるが、肝斑に加えて、老人性色素斑が散在していた(図5A)。0.1%atRAゲルおよびハイドロキノン乳酸軟膏で、強力に漂白を行った。落屑がみられ紅斑が進行するとともに、色素沈着は改善していった。漂白治療を5週間継続し、その後保湿剤とハイドロキノン乳酸を4週間使用した。さらに、左顔面のみ3週間の追加漂白治療を行い、やはり保湿剤とハイドロキノン乳酸軟膏を4週間使用した。治療開始後4ヶ月で、色素斑もほぼ消失し、治療中に見られた紅斑も改善した(図5B)。

 


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